高い所の物価は安い

特に外国を旅をしていると、不思議だけれども理由を聞いてみると大変納得するといった場面に出会うことがあります。

それは、習慣であったり料理であったりと様々ですが、フランスの南部の地中海に面する港町で見聞きした市場もその一つです。

神戸や長崎もそうですが、良港と呼ばれる街は、海岸線まで山が迫った地形になりがちで、マルセイユもやはり坂道の多い町です。

昔から港として栄え、その起源は、紀元前600年まで逆上ります。

歴史を感じる整備された街並みは、どこを歩いても楽しめます。

また歴史的建造物もさることながら、この街では、他の都市と比べると遥かに安い値段で、ブイヤベースをはじめ新鮮な魚介類を使った地中海料理を食べることができます。

港際では、客が直接揚がったばかりの魚を選び、向かいのレストランで料理してもらうといった究極の地産地消も体験できます。

地中海式の気候で育った野菜も豊富で、坂道には多くのオープンマーケットが立ち並びます。

ここで不思議なのは、商品の値段です。

例えば坂の下にある果物のお店では、1個100円のりんごが、坂を登ると徐々に安くなります。

坂の一番上の店では1個30円くらいで買うことができます。

理由はシンプルで、坂の上のお店には、わざわざ坂を登って行かなければ買えないわけですから、安さが売りでなければお客さんはやってこないのです。

しかしそうなるとお客はみんな安いものを買うために坂を登るかというとこれがまたよくできています。

坂の下のお店で売れ残ったリンゴは、坂の中ほどのお店に半値ほどで卸されます。

さらに売れ残ったリンゴはそのまた半値で坂の更に上のお店に卸されます。

したがって下の店も上の店もお互い共存しています。

よく見ると坂の上の店のリンゴは、少しキズがあったり、しぼんでいたりしています。

お客さんは、その日のお財布の中身と相談して買い物をできるという実に合理的で無駄のない販売システムです。